金縛りは心霊現象か?
玉蘭先生
私ども電話占い愛恵にいただくお電話の中には、金縛りに関するご相談が少なくありません。中には毎晩のように金縛りに遭われ、恐怖でノイローゼ状態になっている方もいらっしゃいます。皆様がお聞きになるのは、「私は祟られているのでしょうか?」「うちには悪い霊がいるのですか?」ということです。 そこで今回は、金縛りについてお話ししたいと思います。
「金縛り」とは本来、仏教用語。不動明王が持つ力により、敵(転じて煩悩)を身動きできないようにする密教の修法「金縛法」を由来としています。 中国では「鬼圧身」と呼ばれ、幽霊に身体を圧迫されると考えられています。また、アメリカ南部の地域では「hag(魔女)」といい、何か悪いことが起こる前兆と考えられ、アフリカのザンジバルでは空を飛ぶ悪魔の仕業と考えられていました。
現代日本でも「金縛り=心霊現象」というイメージが根強いですが、医学的に解明されている部分もあり、「金縛りは心霊現象ではない」という説が確立されてきました。その仕組みを説明しましょう。
金縛りを医学的に見ると、「睡眠麻痺」という身体は眠っているのに頭が覚醒している状態だというのです。 「レム睡眠」「ノンレム睡眠」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか?レム睡眠とは閉じたまぶたの下で眼球がきょろきょろ動いている、眠りの浅い状態のこと。夢を見るのもレム睡眠のときだといわれています。通常、レム睡眠の間は身体と脳が連動しないよう、骨格筋が弛緩し、ほとんど動かないようになっています。 ところが、そのレム睡眠の間に意識だけが覚醒してしまうことがあるのです。でも、身体の筋肉は弛緩していますから動かせません。よって、意識はあるのに身体が動かせないという金縛りの状態になるわけです。 原因ははっきりわかっていませんが、不規則な生活やストレス、疲れなどによって起こるともいわれています。
しかし、私どもへご相談くださる方の中には、金縛りの最中に見知らぬ誰かの姿や得体のしれない生物、または自分自身の姿を見たとおっしゃる方がたくさんいます。これは心霊現象ではないのでしょうか?
学者たちの間では、こう解釈されています。 睡眠麻痺時は幻覚や幻聴を起こすことが多く、レム睡眠時特有の夢を見ているのと同じ状態だと。
金縛りは睡眠麻痺という生理現象――。今、学会ではそう結論づけられています。しかし、私どもに寄せられるご相談の中には、果たして本当にそうだろうか?と疑問を抱かざるを得ない例もたくさんあります。
金縛りのとき、胸に乗っていた祖母が翌日亡くなったと知らされた。自分の身体が天井まで浮き、ベッドに叩きつけられた。いつも見ず知らずの男性が現れたが、数年後そっくりの男性と出会い、結婚した…。金縛りにまつわる不思議なエピソードを紹介したら、枚挙にいとまがありません。 金縛りは生理現象か、心霊現象か?まだまだその謎に包まれているのが実情なのではないでしょうか…。