自然界の精霊
ルリアン先生
この世界には、神様といわれる神霊、人の魂である人霊、そして自然霊といわれる精霊が存在しています。
自然精霊は、樹木や水系、山などに宿り、さまざまな自然現象を司っています。人々は古来、天災を治め、雨乞いなどで自然の恵みを得るために自然精霊を祀ってきました。これらの精霊は、さまざまな化身となって民間信仰の対象となってきました。現在は生活に密着した神として、他の神様と一緒に神社やお寺に祀られています。
山に棲むとされる「天狗」「仙人」、海や川、湖などに棲む竜神、河童などが代表的です。また、狐(稲荷)や白蛇などがよくご神体として祀られていますが、これらもやはり自然精霊の化身の一種といえます。
それでは、これらの精霊に祈ることで、私たちはどのような御利益をいただけるのでしょうか。
天狗(山の精霊)
一般に考えられている天狗は、赤ら顔に長い鼻で、一本歯の高下駄に山伏の装束を身に付け、葉団扇を持ち、神通力を使って時には悪事を働く、というものではないでしょうか。このような天狗のイメージは、中世以降につくられたもので、中国の物の怪や、仏教にあらわれる魔物の姿などに由来しています。
本来の意味での天狗は、山の精霊の化身そのものであり、神と同格に祀られています。
一般的には「火伏せ」、つまり防火のご利益がいただけるといわれています。天狗は、自然界のなかでもひじょうに大きなパワーを持つ山岳に宿る精霊ですから、天狗に祈ることによって、そのパワーをもらうことができます。災難や不運を遠ざけ、福を招き、運気を上昇させてくれます。何をやってもうまくいかない、身体が疲れやすいなど、運気の低下やエネルギーの不足を感じている方は、ぜひ天狗の祀られている霊山系の寺社にお参りされるとよいでしょう。
竜神(水の精霊)
竜は古代中国の想像上の霊獣で、風雨や河川を司る最高位の精霊とされてきました。
中国からもたらされた竜神信仰は、日本古来の水神信仰の化身である蛇神と融合して、日本における水系を司る竜神として定着しました。漁民は海上の安全を願い、農民は雨の恵みを願って、古くから竜神を祀ってきたのです。現在では、他の自然精霊同様、各地の寺社に祀られています。
竜神は水を司るということから、芸能や水商売に関わる方からも厚く信仰されています。水の持つ変幻自在なエネルギーが、人々を楽しませる能力を授けてくれるといわれています。
また、竜神を信仰することによって大きな財運を授かることができます。運気全体を上昇させたいという方はぜひ、竜神様にお参りして、竜神の巻き上がるパワーをいただいてはいかがでしょうか。
稲荷
稲荷狐や白蛇などの自然霊は、ひじょうに大きな現世利益をもたらしてくれるので、熱心に信仰する方も多いのですが、これらの自然精霊は、大きな自然現象を司る精霊とは異なり、低級霊と位置づけられています。一度お祀りさせていただいたら、代々絶えることなくお祀りし続けなければなりません。よく家の敷地内にあった稲荷を放っておいたために、祟られて家に不幸が起きたりするのは、そのためです。
神社に祀られているものでも、一度信仰を始めたら継続してお参りをするようにしてください。熱心にお参りすることによって、大きな金運がもたらされます。